今年度、東京区立中学校のPTA会長を担当している。
次年度の役員候補選出が2学期中盤からスタートしているのだが、現時点で次年度の会長候補が決まっておらず、このままでは次年度PTA会長が不在になりそうな状況にある🤮
おそらくこの問題は弊校PTAだけの話ではなく色々なPTAが直面している問題のような気もするので、なんでこーなるのかしら?という個人所感をメモっておく。
📅イントロ
小学校ではPTA会長の2年間以外の6年間全てPTAに関わっていて、最初の2年は校外委員長、次の2年でPTA会長、その後の2年にIT推進委員長、委員。卒業後もITサポートで。6年以上PTAにべったり関わっていた(今も軽く関わっているが)。
このときは最初の校外委員長時代にPTAの色々な実情・課題を知り、その解決にちょっと気合を入れて頑張るかーという使命感があったりした。その時の奮闘は以下あたりに残骸が残っている。
このときのチャレンジは途中でコロナが発生して、複数年で計画していた改善検証ができない状況になったため、「IT活用による負担軽減」までの対応で中断となってしまったけれど、それでもかなり負担軽減できたし、全国各地のPTAからも色々な相談・質問を頂いたりしてそれなりに意義はあったような気がする。
で、現在は中学校PTA。
中学校に関しては個人的にPTAにそれほど意義を見出しておらずノータッチだった。しかし中学3年時に会長候補選出に難航したとのことで小学校時代のPTA仲間から声がかかりPTA会長を拝任することになった。
ただそれまでほぼPTAに関与せず、なにも把握していない状態だったので、改善などの使命感もなく粛々と定型タスクをこなすスタンスで対応してきたのだけど、次年度会長が決まらないというこの状況になり色々な緊急対応が発生して死にかけている🤮
なぜPTA会長のなり手がいないのか?
これは会長だけでなく役員・委員会含めてつねに難航しているイメージあるけれど、家庭観点ではやさしいPTAに記載していることが原因だと思っている。
しかしそれ以外に状況的・構造的な原因を感じているのでその辺メモ。
📝PTAの必要性の認識
現在の日本の教育環境はかなり充実している。これはこれまでのPTA活動の成果でもある。その結果、現在の保護者は教育環境について強い課題や懸念を持っていないように感じている。
一応PTAの理念には「児童生徒の健全な発達に寄与すること」以外にも「保護者と教員が学びあうことで教養を高め、成果を家庭・学校・地域に還元すること」という目的がある。
PTAの理念・目的は「保護者と教員が学びあうことで教養を高め、成果を家庭・学校・地域に還元すること」「児童生徒の健全な発達に寄与すること」である。
理念と目的 -Wikipedia
情報流通が不便だった過去に比べ、現在はインターネットで多くの情報を個人レベルで取得することができる状況にあり、現代でわざわざPTAがその機会を醸成する価値がどれほどあるのか微妙なところ。
またこの目的には以下の側面があり、これが「戦後の女性を対象とした社会教育の観点」があるのではないか?なんて意見もあったりするのだけど、それとは関係なく「現代の保護者世代に民主主義教育」の観点が必要なのかは微妙に感じる。(ほぼ民主主義時代に産まれて民主主義教育を受けた人が保護者であるということ)
同時に、民主的な方法で運営するという設計思想があり、PTAは民主主義の演習の場であるという側面を併せ持つ
PTA – Wikipedia
また、戦後、文部省によりPTA設置が推進された際に、戦前の「学校後援会」や「婦人会」がPTAに置換された事例があったことも民主主義の演習場所となり得たのか疑問を感じたりすることもある。
PTA全国実態調査の結果からは、結成のプロセスが旧来の類似組織から自動的に切り替えられたものが多いことや、役員中に顧問、相談役、世話役、参与などの役名を含むといった組織運営上の問題が、地方PTAの多くに見られることが明らかとなったのであった。
日本型PTAの登場 -Wikipedia
この辺は後段の「地域生活への影響」も関係する部分かもしれないが、基本的に保護者はPTAに意義を見いだせておらず、PTA自体もその意義を体現した活動を行えていない可能性が高い。
正直PTAの理念・目的が時代の変化に対応できておらず形骸化している感はある。このため全体的にポジティブな価値よりも、価値の低さ、対応負担、対人関係のトラブルなどのネガティブな印象の方が強い印象。
この辺はPTA活動の意義、目的などを一つずつ整理して、時代にマッチした価値を醸成する必要がある。ただし地域連携の活動は判断がとてもセンシティブな部分があり難易度は高い(心が折れる)かもしれない。
📝組織イメージ
「会長」っていう名前が良くない。
PTA組織全体も1970年代の会社みたいな構成とネーミングで非常に重厚で仰々しい。こんな組織は現代の民間では存在しないのでは無かろうか?
ある意味コントみたいで面白いのだけど、正直、任意団体とは思えない圧迫感が強く全く楽しそうに見えない😅。特に近年PTAの任意加入が明示されるようになっているし、ネットニュースでPTAのネガ記事も多いので、組織イメージはとても大事かもしれない。
実際、行政は過去の「全員加入」「上意下達」みたいなイメージを完全には脱却できておらず、役員決め、委員決めに潜むリスクに対する考慮が欠如しており「なんとか頑張ってください」という雰囲気。
傍から見ていて役員推薦(役員選考)委員のメンタル的な負担は相当なものである。精神疾患とかになったら国は保証してくれるのだろうか?と思ったりする(実際はPTAが訴えられて訴訟対象は代表であるPTA会長になるのだが・・・🤮)
閑話休題・・・
ちなみに私の地域ではPTAと別に「オヤジの会」というお父さんたちの団体が存在する(学校によっては「メンズクラブ」とか言うらしい)。その会の活動は基本的にお祭りなど楽しそうなモノが多く、それに対するPTA担当中のお母さんたちの「おやじの道楽が!」という感じの冷ややかな視線はとても強い😅
共働きで働いているお母さんが増えているので当然といえば当然。家事負担も暗黙的に女性の負担が高いケースが多い現状なので、家庭平和のためにもお父さんたちが多くPTAに参加してくれるようなイメージ変更が望ましい😓
効率化意識の高いお父さんリソースの導入はPTA運営にかなりインパクトが期待できそうな予感がある。
ブランディング観点の改善を図っているPTAは色々あるので、それらを参考にさっさと変えたほうが良いと思う。
- ネーミングでイメージ激変?!名前の工夫で前進したPTA事例| PTAをたすけるPTA’S(ピータス)
- よくあるご相談⑯「PTAのイメージを変えたいのですが、名前を変えるのは有効?」PTAをたすけるPTA’S(ピータス)
- PTA...変わります!-津島市立天王中学校
📝組織維持コスト
ITを活用することで既存活動の負担軽減、効率化はある程度効果が見込める。また組織構成もオンラインを活用してフラットでライトな構成にすることはできる(ただ連携する地域系団体がその辺不得手なのでオフラインにならざるを得ないところはあるのがちょとネック)。
ただこれと別にPTA組織を取り巻く社会状況の変化による、組織運用のための「任意加入対応」「会費徴収」「個人情報保護」の3つのタスクのコストが非常に高い印象がある。
弊校PTAは会員数400人以上なので組織としてはまあそれなりに大きい。この人数の会員管理、会費徴収、個人情報保護の対応コストはかなり大きい。(実際きちんとできていない状態😓)
この辺は民間企業でもそれなりに苦労しているのにPTAが仕事以外のプライベート時間を削って対応するにはかなりのノウハウが必要になる。しかしそんなノウハウ持った人間がPTA役員に毎年存在する保証はなく、組織運用は非常に不確定な状態にある。
実際、この一年会長をやってみてPTA活動よりも組織運用・体制維持にコストがかかっている印象。組織を維持するための組織・活動が中心になっている状態はとてもアホくさい。(民間企業で働いている人は特にそう感じると思う)
会費徴収に関してはPTA会費徴収サービスが色々と出ているが、その前段の会員管理、個人情報収集・保護あたりがかなりハードル高い。
PTA会費のキャッシュレス化|一般社団法人 全国PTA連絡協議会
個人的には会費など集めず募金でええやんと思う部分ある。毎年80万以上のお金を集めて繰越金が高額になれば不正リスク高まるし、学校周年記念用積立もPTAの目的に合致しているとは思えず、高額な会費徴収が必要とは感じない(それこそ戦前の後援会的な政治的思惑を感じてしまう)
この辺は役員になってから分かることなので、「なり手がいない」課題には直接関係ないが、現状PTAが抱えている大きな課題の一つだと思うし、この現状を知った上で次期会長候補を説得するのは非常に心苦しい部分だったりする🥸
この辺は単Pレベルだと属人性が高いので、国レベルで共通化したシステム提供などしないとPTAの継続維持は困難な気がしている。
📝IT運用のハードル
ITを活用してPTA活動の効率化が図れるのは間違いないのだが、前段の組織維持コストでも触れたが、そのITを運用するリソースが不確実な状態にある。
企業であればIT運用できる人材を求人すればよいだけであるが、保護者の中にマッチする人がいるとは限らないし、その人が参加してくれるかも分からない。
幸いなことに、自分が小学校PTAのときは「IT推進委員会」という委員会を立ち上げて詳しい人が参加してくれたので継続運用できているが中学校PTAではそのような人が見つけられていない。
しかも今のPTAは前任会長がGoogle Workspaceを導入しているため運用管理できる人がそう簡単に見つかりそうになく、私が卒業してもサポートできるように会則を改変する必要がある状況🤮
ITを用いたPTA活動の効率化には、IT人材の確保が必要という非常に不確実性の高い状態にある。
個人的には学校単位でIT人材を配置。学校ITC運用と合わせてPTAのIT運用をサポートしてくれるような仕組みが無いと安定した運用は難しい気がしているが、昨今の文科省の動きをみているとPTAを学校から完全に切り離そうとしている感じなのでPTAで頑張るしかなさそうである。
それか以下組織あたりに頑張ってもらうか・・・
この2つの組織の違いはGoogle検索によると以下・・・正直よくわからん😓(弊校PTAは一般社団法人 全国PTA連絡協議会に属しているらしい)
- 日本PTA全国協議会(日P)
- 構成: 各都道府県・政令指定都市のPTA連合会が加盟、約800万人の会員を擁するピラミッド型組織。
- 特徴: 公益社団法人であり、大規模な調査、表彰、政府への働きかけなどを行う。
- 課題: 近年、退会や会員数減少が報じられている。
- 全国PTA連絡協議会(全P)
- 構成: 各校のPTAや親が直接フラットに繋がる団体。2023年に設立。
- 特徴: 「上部団体」ではなくPTAの運営相談や便利なサービスの提供を目的とする。
- 理念: 従来の「強制加入」や「上部組織への会費」に疑問を持つ声を背景に発足。
📝地域生活への影響
公にしづらい部分として潜在的に高圧的な地域OBに対する悩みもいくつか報告をもらっていたりする。地域連携で地域有力者との関わりの中で地域生活に影響する圧力が作用する点はかなり保護者の心理的ストレスになっている印象。これは男性保護者よりも女性保護者のほうがセンシティブな傾向がある。
父親が会長就任OKでも、家族(子ども含む)が反対するケースがチラホラあるのはそういった観点もあるかもしれない。
ちなみにPTAは「社会教育関係団体」であり、その定義は以下
社会教育関係団体とは、社会教育法第10条により「法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。」とされている。
日本の社会教育関係団体 -Wikipedia
しかし実情としては以下の状態もあるため、地域連携においてPTAの現場で判断するのは難しいパターンは多い印象。
国及び地方公共団体が社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えることは禁じられているが(同法第12条)、国の外郭団体や特殊法人、独立行政法人の一部、私立学校法に基づき設立された学校法人、及びこの法人により設置された学校(専修学校・各種学校を含む)などが、国と地方公共団体が関与しない形で、PTAなどに前述の行為を行っても違法ではない状態になっている。
日本の社会教育関係団体 -Wikipedia
特に地域連携活動はPTAの判断で棚卸しできない人材派遣タスクのような位置づけであることが多いため改善対応はかなりセンシティブ。
商店街との連携は大変という話を耳にしたりするので地域ごとに色々なコンテクストがあり十把一絡げに判断できるものではないが、地域とPTAが揉めることを避けるために地域に忖度して学校から干渉するケースはあるかもしれない。
これが校長の管理能力的な評価に影響するのかは知らないが、「PTAの不始末は学校の責任」という地域側の空気感を感じる場面は過去に体験してたりする(町会長から学校経由で謝罪に来るように通達が来たり・・・😓)
またPTAにも「学校に迷惑をかけてはいけない」という観点で地域連携対応する保護者が存在しているのも事実だと思う。
この辺は上記のPTA組織独立性に加え、PTAが単年サイクルで構成メンバーが変わる構造的な影響も大きい。あと社会的に転勤が増えて転入家庭が増えていることも要因の一つだと感じる。(地域有力家系など暗黙的な地域知識の欠如など)
正直この課題に関しては解決策は見いだせていない。
実際、地域団体自体も継続性の課題を抱えている状況であり、地域コミュニティ施策の国レベルでの見直しが必要な大きな問題なのかもしれない。(地域コミュニティの現状と問題(未定稿)-総務省)
ということで、一旦PTAのなり手がいない原因だと思うものについてざっと書き殴ってみた。
とりあえず、PTA会長不在でもPTA組織が運営できるようにするための会則改定と臨時総会の準備を進めていく・・・🤮