ブリキの太鼓
ブリキの太鼓の作者ギュンター・グラス(78歳)が自身が17歳の時にナチス親衛隊に所属していたことを明らかにして問題になっている。彼は戦争後、冷戦関係にある東西ヨーロッパの国交改善のために尽力するなど政治的な活動でも知られ、ノーベル平和賞を受賞している。
現在彼の栄誉剥奪に向けてポーランドの政党などが動きを見せているが、ヨーロッパにおけるナチスの傷は日本人が想像する以上に深いものがあるようだ。(これは日本の靖国に対して韓国・中国が反応するのも同じかも知れない)ギュンターのその後の活動などは自分なりの罪滅ぼしなのかもしれない。
黙って墓場にまで持っていけたはずなのに、何が78歳の老人にすべての栄誉を失うかもしれない今回の告白に踏み切らせたのだろうか?戦争が終わって61年間、彼はそれをどうやって胸の奥に秘めて生きてきたのだろうか?
第2次世界大戦が終わって60年以上。当事者も段々と少なくなり、誰も「戦後」などという言葉を使わない。戦争の記憶のない人間が大半を占める世界で、胸の中に戦争の傷を持った当事者たちは戦争の最後の幕引きをすべく、我々の世代に何かを伝えているのかも知れない。
一方で日本が嫌いだからと楽園タヒチにマティス気取りで移住した日本のウンコタレが、子猫を崖から投げ殺していることを得意げに告白している。同じ告白でもあまりに違いすぎてギュンターに非常に申し訳なく感じる。