ヨルゴス・ランティモス監督の2025年公開の作品。この監督の作品を観るのはThe Lobster、The Killing of a Sacred Deer / 聖なる鹿殺しに続いて三本目。
主演のエマ・ストーンは名前は知っているけれど、作品は観たこと無いかもしれない。目黒シネマで鑑賞
この監督は、視点の独特さ、映像のソリッドさ、シニカルさ、それらが醸し出す気まずさが好きなのだけどこの作品も例に違わず独特空気を漂わせている。
前半は、昨今SNSではびこる陰謀論とそれを発信する陰謀論者に対する皮肉的な視点で、一般道徳的な観点で勧善懲悪的なカタルシスを予感させつつ進行する。
ネタバレになるので詳細は割愛するが、後半にかなり強烈なちゃぶ台返しが炸裂する。
鑑賞中に誰に感情移入すべきなのか、またベクトルも全く安定しない。自分自身の日和見なスタンスをまざまざと自己認識させられる。
終幕後はかなりの自己嫌悪で、虚勢で薄ら笑いを浮かべるしか無かった。
エンディングの世界の様子のシーンはとても美しく、陰謀論者のみならず誰もが内心感じている、「人間は地球のガンで、人間が絶滅させれば地球は豊かになるのではないか?」というアイロニーに確信めいたものを感じさせるレベルで、このシーンだけで1時間ぐらいは余裕でいける。
人生が好調で、増長、慢心している時に観ると良い作品。
非常にオススメです。