「広告の迷走~企業価値を高める広告クリエイティブを求めて」アマゾンでブランディングやら広告関係の本を辿って購入した一冊。著者は梶裕輔氏。電通から日本デザインセンター創立に参加し、現在同最高顧問の方だそうです。(知らないのは私だけかも)大分前に読み始めたのだけど、色々な本と平行で読み進めていたため12月にやっとこ完読。
ここ数ヶ月広告、マーケティング関係の本を買って読みましたけど、これが一番良かったです。他の本が如何に物を売るのか?という部分に帰結しているのに対して、長期的、且つステークスホルダーに株主、顧客、従業員、そして地球環境まで含めたコーポレイトブランドを創造することの意義について分りやすく記述されている。かといって講義的な内容ではなく、どちらかというとエッセー的な文体で非常に素直に受け入れることが出来ました。
東京湾で潜水業務していた広告に関してまったく教育を受けていない人間が、紆余曲折して現在この仕事で飯を食わせていただいている状況ですが、この本を読んで自分のしている仕事が何の為に何を作り出す仕事なのか?なにを使命として存在しているのか?を改めて再認識させていただきました。(まぁ正しく理解できているのか?は甚だ疑問なので定期的に再読していこうかと)
知らず知らずのうちに目先のことを片付けていたかも知れないと激しく反省。信蔵さんの講義でもその視点の高さを実感させられ自分にとっては貴重な講義でしたが、この本もそういった意味で自分にとってのよい啓蒙になったと思います。今年はそういった意味で2つも良い勉強が出来た年でした。
まだまだ知らないこと、知らなくてはいけないことが世の中にはたくさんあるのです。
今の自分に満足せずもっと人の役に立てるように精進していこうと思いました。
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「広告の迷走」への6件の返信
時代はがんがん変わってるから、本に書いてあることを鵜呑みにしない方がいいよ。もはや広告だけではブランドは作れませんからね。僕はどちらかと言うと広告畑ではなくマーケ畑の人の意見の方が結果に結びつくことを言っているなぁと感じています。
そですね、本は古くなってしまいますね。気を付けます。
私の読んだマーケ畑の人が書いた本は、なんか如何に物を売るか?みたいな切り口が多くって、あまりブランド作りに関しての記述が少なかったです。
読んだ本が悪かったのか、自分の理解がたりないのか・・・。
また何冊か本を買ったので、色々読んでみようと思っています。
そもそも「如何に物を売るか」がマーケじゃんよ(笑)。つーか、ブランディングとマーケティングが近接したのはトータルなコミュニケーション戦略が互いに必要になったからです。ブランディングがうまく行かないとマーケティングで結果を出しにくくなってる(要は安売りせずにモノを売るためにブランド価値は重要)し、ブランド価値を高めようとブランディングしても、モノを売るという手法(マーケティング)が旧態のままでは、まったく意味が無い(企業にとってのリターンとしてのブランド価値を生まない=無駄なコストでしかない)わけで。はい。
バブル以降マーケティングは「一つの商品をたくさんの人に売る」というマーケットは新規客の参入により無限に拡大するという考え方から、「一人の人に出来るだけたくさん買ってもらう」という方向に変わっている段階だとものの本には書いてあり、必然的にそこではブランドに対しての信頼感というものがキーになってくるのだと理解していますが、その部分で私の読んだ本は「マーケットは新規客の参入により無限に拡大する」という前提でかかれたものが多かったように感じます。(新規顧客を如何に獲得するか?)
ただその中でも既存顧客の損失率の問題は少しながらも取り上げられていて、広告という観点からではなく1TO1マーケティングのからの視点で対応策というのは色々と書いてありました。その辺車の両輪みたいなものでしょうから、上手く連動していかないと機能しないのだと思います。
そして今不景気の中で物を売るためにブランドを殺す企業と、育てていく企業の2つに大きく分かれていく最中なのでしょうけど、育てていくことを選んだ企業から今信蔵さんが相談を受けているのだろうと・・・・
一応そんな感じで理解をしつつあります。
「今不景気の中で物を売るためにブランドを殺す企業」…殺すというか、現状維持するための投資(状況は現状維持的コスト使用では維持にならないので投資という言葉を使いますが)が、そんな金どこにあんねん!という背に腹はかえられないところまで来てしまった企業からも相談されます。これがむずかしい案件になるわけですが、すぐに即効性を求める(笑)ほど切羽詰まっちゃってるわけです。
また、育てていく企業の2つに大きく分かれていく最中」…のように思うかもしれませんが、「育てていくことを選んだ企業」というのは、景気が回復し、自分たちの戦略が市場で価値を生み始めるに至った時に、絶対に必要なものとしての「ブランド」という理解があり、「ブランド価値」に関するディスカッションが可能です(先に書いたタイプの企業はブランドの話は出来ても価値の話になりにくい)。
そして、そういう企業との仕事の方が難しいんです。なぜかというと、それは前例の無い夢想を軸にした理想を追う仕事だからです。そこでは、常に利益に貢献(ある程度ですが)しつつ、そういう貢献実績を積み重ねながら、中長期を見据えたお付き合いをしていかねばなりません。ま、こんど飲んだときににでも教えてあげるよ。
そうですね、ブランドを育てるということは時間がかかり、かつダイレクトに収益に反映されないので、それを無駄と思ってしまうことが多いのかもしれないと思います。海外だとブランド・エクイティが知的資産としてきちんと評価され、「コーポーレイト・ブランド」を外的要素だけでなく、社員など内的要素にたいしても有効に活用し、会社が存在するための起点とするという考え方だそうですが、そういった意味では経営陣が「大量生産・大量消費」という過去のマーケット認識から脱却していかないと難しいのだろうと思います。
それを頭で理解していても体がそれを許さない状況なのかも知れないのですが・・・。また飲んだときにでも教えてくださいませ。
メールにもかきましたが、今年一年公私ともども大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。旅行楽しんできてくださいーー。