ジョゼと虎と魚たち
この映画について投稿した気になっていたのだけどしてなかったので、書いてみる。
なんというか痛々しいとしか言えない。ストーリーの中ではジョゼに障害という重荷を背負わせることで深遠を際立たせているのだけど、これって普通の恋愛の中でよくあるスパイラル。特に若いとき。
自己犠牲を愛情に置換し始めたときから、犠牲を求め、自らも更なる自己犠牲を提供する。与えるモノだったはずのものが、受け取るべきものになった瞬間、そのありようは180度転換する。
その結果がハッピーエンドになることはほぼ0に近く、仮に続いたとしてもいびつにゆがんだ形。第3者を交えながら形骸としてのみ存続しうるしかないのではなかろうか?2人だけで進んだ場合行き着く先は終わりでしかないのだけど、その手前で自ら舞台を降りてしまう。降りざるを得ない。それでも愛情の深さだけは真実。そこがとても悲しい。見終わった後に慙愧の念に駆られ、しばらく冷たい息を吐くしかできなくなる。そんな映画です。
星は3つ☆☆☆。