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2011

日本の原子力問題 FAQ(よくある質問)

22日(日本時間では今朝)WHOのレポートが更新されました。
このレポートは非常にわかりやすく、有益な情報が多いので参考にしてみてください。
www.who.or.jp/index_files/FAQs_Japan_nuclear_21_March_JPN2_J.pdf
以下要点をメモ

    人は日常的に電離放射線に被ばくしているのか。
    放射線量は、シーベルト(Sievert)(Sv)の単位で表すことができる。平均して、人は1年間におよそ3.0mSv被ばくしており、そのうち80%(2.4mSv)は天然放射線源によるもの(つまりバックグラウンド放射線)、19.6%(0.6mSV弱)は医療用放射線によるものであり、残りの0.4%(約0.01mSv)が他の人工放射線源によるものである。
    世界の一部地域では、その地域の地質に差異があるため自然放射線への被ばくレベル
    が異なっている。ある地域の人は、世界平均の200倍以上の被ばくを受ける場合があ
    る。
    人はどのようにして電離放射線に被ばくするのか。
    体内汚染は、放射性物質を吸い込むまたはこむことによるか、もしくは傷口の汚染によって生じる可能性がある。
    体外汚染は、人がX線などの外部線源に被ばくした際、または放射性物質(埃、液体、煙霧など)が皮膚または衣服に付着した際に生じる。この種の汚染は、身体から洗い落とすことができる場合が多い。
    原子力発電所のがあった場合、どのような種類の放射線被ばくが起こりうるか。
    原子力発電所が適正に機能していない場合、放射能は原子炉内部でされた物質の混合物(原子核分裂生成物)によって周辺区域に放出される恐れがある。健康リスクを示す主な放射性核種は、放射性セシウムおよび放射性ヨウ素である。一般の人々は、浮遊した大気中のそのような放射性核種に直接被ばくする恐れがあるほか、飲食物がそうした放射性核種に汚染されている場合に被ばくする恐れがある。
    救助者、第一対応者、原子力発電所(NPP)作業員は、その専門活動のために高い放射線量に被ばくするおそれがあるほか、発電所内部の放射性物質に直接被ばくする恐れがある。
    放射線被ばくによる急性の健康影響は何か。
    放射線量が特定の閾値を越えている場合、皮膚の発赤、脱毛、放射線によるやけど、および急性放射線症(ARS)などの急性影響を生じることがある。
    原発事故の場合、一般住民がこうした影響を生じるほどの高い線量に被ばくする可能性は低い。
    放射線被ばくから予想される長期的影響とは何か。
    放射線被ばくはがんのリスクを高める可能性がある。日本の原爆被災者においては、放射線被ばく後数年してから白血病のリスクが高まった。また、被ばく後10年以上経過してから、他のがんのリスクが高まった。
    放射線被ばく後の甲状腺がんのリスクは、および10代後半、若年成人で高い
    自分が高レベルの放射線に被ばくしてしまったら、どうすればよいか?
    高い放射線被ばくを受けた後に屋内に入ろうとする場合、自分の住居内に汚染が広がるのを防ぐため、玄関前で衣服を脱ぐこと。衣類を脱いでビニール袋に入れたら密封し、生活範囲、子どもおよびペットから離れた安全な場所に置くべきである。
    温かいお湯(湯でなく)と石鹸を使い、シャワーまたは入浴すること。
    汚染された可能性のある衣類と身の回り品を所持している旨を当局に通知し、予め決められた国の手順に従って適切に処理すること。
    いつ、どのような理由でヨウ化カリウム剤を服用すべきか。
    ヨウ化カリウム剤は、国の保健機関による勧告がある場合にのみ服用すべきである。放射性ヨウ素に被ばくするリスクがある、またはすでに被ばくした場合、甲状腺を放射性ヨウ素の吸収から守るため、ヨウ化カリウム剤が与えられる。被ばく前、または被ばく直後に投与されると、それによって長期的な甲状腺がんのリスクを軽減できる。
    妊婦はヨウ化カリウム剤を服用できるか。
    はい、妊婦の多くは国の保健機関の指示に従ってヨウ化カリウム剤を服用できる。ヨウ化カリウム剤は胎盤を通り、母親だけでなく成長中の胎児の甲状腺も保護する。  
    母乳中の女性はヨウ化カリウム剤を服用できるか。  
    はい、母乳育児中の女性の多くは国の保健機関の指示に従ってヨウ化カリウム剤を服用できる。 
    食品はどのようにして放射能を帯びるのか。
    原子力または放射線緊急事態の結果として、食品は放射性物質に汚染される可能性がある。果物や野菜、または家畜飼料といった食品の表面は、空気または水を介して降りかかる放射性物質の沈着によって放射能を持つ。時間が経つにつれ、放射性核種は土壌から農作物や動物へ、魚介類が放射性核種を吸収する恐れのある河川、湖およびへと移行するため、放射能は食品の内部にも構築される。リスクの重大度は、放射性核種の混合割合および放射された汚染物質のレベルによって異なる。
    放射能は、包装された食品を汚染することはない。例えば、缶詰やビニールで包装された食品は、その食品が密封されている限り防護されている。
    汚染された食品の消費による潜在的な健康影響とはどのようなものか。
    放射性物質に汚染された食品は、一見被害を受けたようには見えないが、そうした食品を消費することによって被ばくする放射能量が増加し、被ばくによって生じる健康リスクが増加する恐れがある。例えば、そうした食品を消費することで将来的にある種のがんの有病率が高まる恐れがある。個々のへの厳密な影響は、どの放射性核種が摂取されたか、および摂取された量によってさまざまである。

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