最後の最後までキリキリとえぐられ続ける映画。
心に余裕があるときに観ないと辛いかもしれない・・・
我が子を失ったことで独善的なヒリヒリとした暴走を加速させ引き際を失った古田新太。真面目すぎる故に解決策の見えない松坂桃李。安易な正義に身を委ねて盲目的に理想を演じる寺島しのぶ。ピンと張り詰めた糸の上でギリギリバランスを保つだけでどちらを向いているかも分かってないところに、視聴率を目的に部外者であるマスコミが吹き込んだ風がさらに彼らを迷走させる。
「みんな、どうやって折り合いつけるのかな?」
能動、受動問わず事件に関与した人間全員にほぼ救いはないなかで、本当に最後の最後に一瞬だけかすかな救いにつながるかもしれない光らしきものが見える・・・。
ほんとに不確かなかすかなものなのだけども、それでもそれまで積み上げられてきた救いのない絶望が大きかっただけに、大きな期待をする一方で、全てのきっかけが明確な悪事であったという喜劇的な悲劇であることが人間社会の虚しさを強く感じさせる・・・🐙