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Cinema

Adaptation

脚本チャーリー・カウフマンの2002年の作品。主演は僕らのニコラス・ケージ(双子の二役)。

作品に作品を作る世界線が内包された構成のため、そのへんの前提を知らずに観ると、それがわかるまでとても混乱する(これは世界線の解りにくさに加えて、主役が見分けがつかない双子って部分・・・。

一応、的には陰陽の違いは設定されているのだけど、これが実在する双子のなのか、二重人格的な心理描写なのかが判断するヒントが少なすぎて、自分は中盤以降でやっと把握できた感じ・・・😓 しかしそこから前段でぼんやりしていた部分の照らし合わせをするには遅すぎ・・・な感じで鑑賞後にも前半まではぼんやりとした記憶になっている。

小説の脚本における、原作へのリスペクト、文章と映像の表現の違いなどのジレンマと、内省的な脚本家の自己問答を軸にストーリーは展開していくが、まぁ前段の世界線構成と、区別のつかない双子が邪魔をしてに入ってこない。

逆に、脚本の中では地味だと評されている「原作者と蘭ハンター」の部分だけがストーリーも映像もとても良く見えてくる。ただこれは、脚本家と脚本作成の世界線が混ざっているからこそ引き立っているアイロニーな関係になっているように思う。

行き詰まった脚本家が参加した脚本セミナーでの脚本テクニック、アンチパターンが本作に適用された(Adaptation)結果、この作品が映画として良くなったのかは正直判断つかないけれども、我が見ている映画の世界線には当然ながら映画を作成する世界線が存在しているということを、改めて認識することができる・・・。

全体としては映画好きのための、映画好きのためのマニアックな映画だなぁという感想。

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