希望塾第2回目。ADAPTER、public/imageで活躍している針谷氏。
ここに至るまでの経緯を話してくれました。
もともと企画などをやる会社に在籍していたということで、アートワークをパブリッシュ展開するまでのパッケージにして捉えているように感じました。
作品を作る(続ける)というハードルはクリアできたとして、それを人に見てもらえなければあまり意味が無い(あるのかもしれないけど)。WEBだと昔は少し面白いサイトを作ればそれなりに書籍などで取り上げられたものだけど、今は数が多すぎて昔ほど簡単に認知されなくなってきているように思う。(本当に面白いのは別だけど)そういう部分で針谷氏の考え方はとても的確に攻撃的。学ぶべきところは多い。ただ単純にクリエイトしている人間にそれが出来るのか?と言われるとちょっと難しいのかもしれない。お金の面だとかクリエイティブに対しての制約だとか、色々我慢強く交渉していかなくてはならない部分もある、いわゆる「ビジネス」的な冷静な視点が必要になる。その辺は氏の経歴による特徴なのかもしれない。
クリエイター志望の若い人と話していると「よいものを作れば認めてもらえる。」という「棚から牡丹餅」、「果報は寝て待て」のようなスタンスを取っている人が多いように思う。これは自分の作品に対して自信の無さの現われなのか、自己弁護と責任転嫁なのか分からないけれど・・。
なんにせよ、人を巻き込んで自分の作品を展開していくにはパワーもいるし、ある程度妥協も必要かもしれない。そしてなにより弾(お金)もいる。また色々と良くも悪くもジャッジというテーブルに上げられる訳で、それを受け止めて乗り越えていく覚悟と勇気が必要だ。針谷氏にはその辺の作りたい、そしてそれで生きていく気持ちと、それに付随する障害を乗り越えて前に進むというパワーがみなぎっている。(とても純真だと思う)オデはフラフラと運よくここまで行き着いているからとても恥ずかしい。
針谷氏の作るものはグラフィティ(バンクシーに影響された)から見ているのだけど、クライアントワークにそのグラフィックが強く反映されているという印象はあまり無い。今日聞いた感じだとおそらく離れた視点から俯瞰して調整しているのだと思う。しかし、それらのクライアントワークの目に見えないところで、彼の考え方というかスピリットは強く息づいているのは感じられる。
針谷氏は自分よりもずっと年下だけれども、グラフィックというか面白いことに対しての情熱、そしてそれを経済構造の枠組みの中で発露させていくという能力は稀有なものなんじゃないかしら?と思う。
「仕事」として「アート」(?)で生きていくということの覚悟というか、そういうのはとても勉強になった。
(と言ってまぁ出来るか出来ないか?は別問題だけれども)