文京区本郷にある350年の歴史を誇る都内唯一の金魚問屋「金魚坂」にて開催された、金魚はどこから来た?!歴史を紐解く「金魚のススメ」に家族で参加。
金魚は10年ほど前に夫婦で飼っていたが、産卵・孵化直後に全滅させてしまった苦い記憶があり、それ以来縁遠くなっている。その頃は犬、猫、金魚、亀とプチムツゴロウになりかけており、その時の猫の好物が「金魚水」だったのは懐かしい思い出である。あれから月日は流れプリン、金魚と亀は天国、もみぢは広島へと旅立ち、入れ替わりで人間の子ども2人とくま太がやって来て、数は減ったが以前より混沌とした日々を過ごしている。
「これ以上動物を家に増やしてはいけない」というワイフからの警告を受け、ビーシュリンプや爬虫類なんかのサイトをため息とともに眺める日々を過ごしている。今回の講義も普段のワイフなら私の下心を読み取り参加NGだったろうが、知人が企画をされたことに託けて参加OKとなった次第。
「金魚坂」は東大近くの奥まった路地の坂道の上。(出荷は宅急便との事だが、入荷でそれなりの数をどう捌いているのか気になる)広島では鯉問屋が身近にあったが、金魚問屋はそれとほぼ同じ構成で水槽が小ぶり。ただし店舗部分がおしゃれな喫茶店になっているところは大きく違う。(広島はプレハブ)
その喫茶店の地下水槽を改築したという喫茶エリアで女将の講義がスタート。時間軸をベースに人と関係の変化、鑑賞スタイル、地域による発色の違いなどなど。最後の質問コーナーで過去の失敗を踏まえて幾つか夫婦で質問。
講義が終わると金魚すくいを体験。昔は大量にとれた記憶があるんだけど和金1匹で終了・・・orz
長男は1匹、次男0匹、ワイフが2匹と合計4匹ゲット・・・家長の威厳が・・・
最後に水槽前で職人さん?の講義。
井戸水の話、輸送の話、稚魚の話、絶滅種復活の話とか、ディープな話がたくさん聞けて大満足。
事前に「家では絶対飼わないから!」というワイフ宣言を頂きつつの参加だった訳だが、会場で金魚を見ているうちに、春のそよ風と共に鬼の心にも雪融けが起こり、講義での質問などを経て「飼ってみようか!」という方向に・・・(^o^)
「鉄は熱いうちに打て」ということで、そこ場で購入したかったところだが、いかんせん男の子2人を抱える身、マイカーを持つ富豪ならともかく、こちとら公共交通機関の電車、庶民の足での移動。帰路、電車内で金魚の袋を破ったり、金魚鉢を粉砕する状態が容易に想像可能。確度の高いリスクを発生させる状況を作り出すリスクを避け、後日に体制を万全に整えてから金魚を家に迎える予定。(しかし子どもたちがお店で一番反応していたのは「ゼニガメ」・・・可愛いけど、池がないと無理!)
最後に、今回のイベント主催のにっぽん てならい堂さんのコンセプトにある「日本全国のモノづくりを体感するコト」についてちょっと書いておく。
「知りたいけれど、誰に聞いて良いか分からない」「聞く相手はわかるけど、聞くキッカケがつかめない」って事はたくさんある。インターネットがそれを解決してくれる事は多いが「発信情報に世代・文化的偏りがあり、伝統事項などが網羅できてない」「インターネットで伝わらないことが伝わらない」なんて問題を抱えているように思う。
特に後者はこの業界で生きているので、その誤差を極小にしようとしているみんなの努力(自分も含め)を理解しつつも、刻まれた歴史、そこにいる人、漂う空気・匂いなどなどで構成された「場所」「モノ」の体験・体感を通して得られた情報は、体験を伴わないそれに比べて圧倒的に人生への浸透率と定着率が高いという埋めがたい差があることを、表現を詰めるほどに実感したりもする。
ただ「そういう違いがあること」の認識は「表現」にとってとても大事なことだろうと思う。
そういうことまでも体感させてくれる、にっぽん てならい堂さんの取組は素晴らしい。これをキッカケに核家族化による地域時間軸の分断された日本において、居住地の身近にある接点の持てない興味対象とコネクトすることの価値が認識され、地域時間軸の紡ぎ合わせが成されることを願っている。日本全国色々なところで開催されているようなので、近所で開催される時には参加してみると色々な発見があるのではないかしら?
言葉で言い尽くせない貴重な体験と、金魚を飼えるようになったことを合わせて感謝!