SNSなどにアップされる料理の写真。
添えられる言葉は「美味しかった」
しかし写真は食前の写真。
「写真」「感想」で構成されるこの情報には、時間のズレが内包されている。
当然、食後の写真を見せられても、何を食べたのか分からないし、使用後状態であるため好んで人様に見せるようなものでもない。
情報の組み合わせとしては正しい。
雑誌など編集工程が入る媒体に展開される情報は、時間軸を平面化できるので、感想は体験を振り返り書かれ、時間のズレが吸収されている非リアルタイムなものであることは直感的に理解できる。
しかしSNSはタイムラインはコメントなどの重み付けで調整が入るものの、基本的にはリアルタイムに準じたナウ系の情報で構成されていることが多い。(※事後レポートと明示している投稿を除く)
食前に撮影して、食後に結果を添えて投稿しているのか?
それとも食べる前に、撮影+投稿しているのか?
前者ならば、
食事はすべて写真撮影して、美味しくない場合は投稿せず、美味しかった場合だけ投稿をしているのか?
はたして食後に食前に撮影した写真を投稿するという行為は忘れないものなのか?
すでに食後のごちそうさまのように、食事のお作法として、食前撮影の写真選択+投稿が一般化しているのか?
後者ならば、
初見でなく、2回目以降で実績を把握した場合のみ、投稿しているのか?
それとも食前の見た目と香りから予測を投稿し、結果美味しくなかった場合は、削除しているのか?
タイムラインにそれらの写真が流れてくるたびに、
『非リアルタイム情報構成+ナウ系アプローチ』の裏に潜む行動心理を考え、心がざわつく