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行為から滲む、おぼろな像

少し前の話であるが、こんなニュースがあった。

「見ればわかるだろ?」という部分も理解できるが、そもそもこのチェックが「未成年に酒を売ったことが店側の責任として問われる」社会において、「成人なのか判別付かない」「老け顔の19歳」「童顔の30歳」などに対して年齢判断の責任を担ってもらうということを踏まえると、観察者の属人スキルに委ねられる「成人か、否か」の判断よりは確実であり、必須手順として組み込むことにさほど違和感は無い。
つまり「未成年者の健康を守るために、大人に少し協力してもらう」という社会的な責任としてである。
これに対して、この一連の騒動のきっかけとなる以下の様な事件が発生している。

  • 腹を立てた客が店内で乱暴を働く
  • 「オレが19に見えるわけねぇだろ!60過ぎているジジィを捉まえて、押せとはなんだコラ!!!」
  • 「年は見れば分かるだろ」などと腹を立て、レジの液晶画面を素手で殴り破損させ現行犯逮捕
  • 同じ理由で液晶画面を殴って壊し現行犯逮捕
  • 年齢確認され腹を立て、出入り口のドアガラスを足で蹴り割ったとして逮捕

これらを踏まえて

「我々の行う接客はこれでいいのか、ということは常に社内で検討しておりますが、このに関してはお客様のご意見はもっともなことであり、合理性という点でもがあるのではないか、ということになりました」

ということで、廃止に踏み切ったということらしい。


元々「お客様に気持ち良く買い物をしていただくためタッチパネルによる年齢確認は行っておりません」という観点でしていない系列もある中で、問題の解決を狙って導入した系列がそれを「合理性のない店側の怠慢」として代替策もなく撤廃することがユーザ至上主義の勝利として褒められることなのかは「ではなく退却」として捉えるととても微妙に感じられるが、ただ今回はそこについてきたいわけでは無いので、ここで終了。
この件から考えたい事は、小難しく言うと「フィルタアクションによって生じる、副次的フィルタ効果の活用」についてである。
前述の事件を踏まえると、「年齢認証」フィルタ適用の結果、本来の目的である「年齢」のグルーピングと別に、「年齢認証に昂し暴力に至る」というグループを抽出していることが分かる。
タバコはともかく、酒に関してはこのグループは「飲酒に関連した発生事件の多さ」を踏まえた上で、「酒を手に入れる際のストレスで暴力を発動する特性の人間は、飲酒状態ではその閾値がさらに低くなるのではないか?」、つまり「飲酒により、正常なリスク判断ができない」という観点で犯罪抑止的な部分で重要な意味を持つのでは無いだろうか?
この結果の活用は問題に発展しそうなのでなんとも言えないが、良い意味での村社会的相互監視による抑止力が失われつつある現在では、警備警察の能動的アプローチでそれを代替するしか無いかもしれず、このような情報の活用が求められるのかもしれない。(なんだかサイコパスみたいな話になってきたので、この辺で終わり)

PS. 「年齢制限」が単純な量でなく、総合的な「大人」の判断を目的としていたならば、「レジの年齢認証」は的確に目的達成している優秀なであるのかもしれない。いやむしろ年齢認証などという羊の皮を被るのでは無く、2桁の乗算を解答させるぐらいのハードルがあっても社会平和としてはありなのかもしれない。

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