秒速5センチメートル
このタイトルを見て
「遅いなあ」と思うのか
「速いなあ」と思うのか
どちらなのだろう?
ちなみに時速に直すと
0.05*60*60=180m/h
普通に車の速度計に合わせると
0.18km/h
一般的な人間の歩行速度が時速3km/hぐらいなので、かなり遅い。
しかしじゃあ何の速度に近いのか?といわれると
カタツムリよりは速いが
犬よりは遅いような気がする。
なんともたとえる対象が難しい速度である。
ではこのタイトルを同じスカラーを意味する
「時速180メートル」
にしたらどうだろう?
時速というのはあまりイメージできないにしても、
180mという距離は日常生活の中では結構長い。
なんかメカメカしい雰囲気になってしまった。
でわスカラーを合わせず、値を下げてみる。
「時速5メートル」
消費者金融への毎月の支払いがいくら払っても
利息分にしかならないような生々しい駄目っぽさを感じてしまう。
でわ逆に振って
「光速5万キロ」
ん?光速5万キロって存在するのか?
光速にキロ?よくわからん・・・。
まぁでもなんか未来っぽくなった。
速そうって感じは伝わってくる。
でもこのアニメの方向性とは違う気がする。
極小の方向へ振ってみよう。
「秒速50000ミクロン」
なんだろう、こちらもかなりSFチックだ。
ミクロマンとかそんな感じ。
まぁなんとなくパターンは掴めてきた。
まとめるとこんな感じだ。
「秒速」という感覚はあるが実感は無い単位と、「5センチメートル」という認識しやすい少ない値を組み合わせることで「なんか分からんけど遅いだろ」というニュアンス
これがこのアニメの内容にあっているのだ。
ではこの仮説を元に応用を行ってみる。
「実感」「実感の無い」という対象を入れ替えてみる。
つまり「実感のある単位」と「実感の無い値」の組み合わせはどうだろう?
「時速3寸」
非常にいい感じである。
ほぼ証明されたと言ってもよいかも知れない。
ここで重要なのは値として5寸ではなく3寸を使っていることである。
寸という単位で具体的な長さをイメージできる人はあまりいないかもしれないが、まぁ身体尺なので親指幅で3cmぐらいの長さである。ただこの具体的な長さの感覚よりも「1寸の虫にも5分の魂」という諺からくる「小さい」というイメージ、しかも単位的なニュアンスのものと、「5寸釘」という大きいイメージを持っている人が大半だと思う。(更にその上に8尺球が存在するのだけど、ここでは割愛)
この2つの値の間の「3寸」という値を使うことで、大きいのか、小さいのかよくわからないスカラーを表現することに成功していると考えられる。
このような日常生活の中にあるありふれた言葉を組み合わせることで「認識できているようでできていない」という状態を作り出すことは、ユーザの興味をコントロールするのに非常に効果的で、CM等色々な場面で目にすることができる。
なのでこのアニメはタイトルが「時速3寸」であっても
現状と同じ売り上げを上げることができたと考えられる。
むしろ「大正浪漫」のようなカホリを漂わせることで、
メイドブームの波にのってもっと売れたかも知れない。
確かめる術は無いのだけれども・・・。
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